彼は私を見ているのでは無かった。 私の後ろで彼のテリトリーを奪い取ろうとやってきた別の雄に興奮しだしていた。 やがて落ち着いて争いは勃発しなかったが、雄は晴天でも隠れている暇はない。 その油断が繁殖行動にとっては命取りなのだから必死である。
やがて春が訪れる聖域とも言える立山と背景と共に撮ろうと考えていたら側のライチョウがハイマツの前、つまり私の目前に歩いてきた。 興奮して手が震えるが、彼女は動かずに落ち着いてしまった。 人を基本的に恐れていないのでこんな事もある。
体に付いた寄生虫などを砂や小石と共に払い落とす行動であるが、実にダイナミック。 これは当時小さかった息子が発見した雌だった。ちゃっかり息子と一緒に撮影会となった一枚。
彼は私を見ているのでは無かった。 私の後ろで彼のテリトリーを奪い取ろうとやってきた別の雄に興奮しだしていた。 やがて落ち着いて争いは勃発しなかったが、雄は晴天でも隠れている暇はない。 その油断が繁殖行動にとっては命取りなのだから必死である。
ライチョウエイド
Welcome to
japanes rock ptarmigans site
since2002
分類 :キジ目キジ科ライチョウ属ライチョウ
学名 :Lagopus muta japonica
英名 : Japanese rock ptarmigan
和名 :ニホンライチョウ 日本雷鳥
体長 :約37㎝
体重 :430~550g
特別天然記念物1955
絶滅危惧 I B類
ニホンライチョウは日本の中部山岳の一部でしか見られない希少で貴重な鳥です。漢字表記では雷の鳥と書きます。
神の鳥と崇められ神話にも登場する伝説の鳥でもあります。ニホンライチョウは後氷期の約2万年前に陸続きであった大陸から移動してきた事から、
" 生きた化石 雷鳥 "とも言われます。その日本の山岳を象徴するニホンライチョウが絶滅の危機に瀕しています。
生態系全体や生息地の環境変化から彼らの生存が脅かされています。しかし、私たちの手で未来を変えることができます。
私たちはライチョウエイドを立ち上げ、ニホンライチョウを救うため、チャリティーと普及啓発事業を展開しています。
その販売利益は全額ライチョウ保全活動へ寄付いたします。そして、寄付による資金は、生息地の保護や繁殖プログラムに役立てられます。
ニホンライチョウの数を増やし、彼らの未来を守るために、ぜひご支援をお願い申し上げます。
プロジェクトの詳細については、以下ページをご覧ください
https://www.raicyo-lodge.com/raicyo-aid
一人ひとりの力が集まれば、ニホンライチョウの絶滅を防ぐことができます。どうぞ、チャリティー参加をお考えいただき、この貴重な生き物を守るための一歩を踏み出してください。彼らと共に未来を築くために、あなたの力が必要です。皆様の温かいご支援、心より感謝申し上げます。 火伏雷鳥
絶滅危惧種 雷鳥生きる
〖ライチョウについてよくある質問〗
Q 1 :
ライチョウは絶滅危惧種と言われるくらいだから「ライチョウは弱い鳥であり淘汰されるべき」で、無理に保護しなくてもいいのでは?
A 1 :
考え方として自然淘汰というものは自然界に存在します。しかし、ライチョウが自然淘汰されてもいいと考えるのは間違いだと私は思います。
キジ科から現在のライチョウに分化した祖先は200万年前には既にユーラシア大陸にて存在していたと考えられ、約2万年前に当時陸続きであったユーラシア大陸北部地域から日本列島付近にまで生息域を拡大してきたようです。言わば2万年を生き延びて来たという” 奇跡の鳥ライチョウ ” なのです。ライチョウが本当に弱い鳥であればすでに絶滅している筈です。しかし、ライチョウには高山という極めて限定された、植生も乏しそうに見える環境で生き延びて来ましたし、冬のマイナス20℃以下の気温であろうとも凍死することなく適応できる強さがあります。また羽の色を変え保護色となり、敵を欺き身を守る術を持っている。日本の中部山岳に生息するライチョウは地球上でも日本のみに生息する種であり、別名ニホンライチョウとも言われる日本固有種であります。
このライチョウを守るのは我々の責任であると私は強く感じます。
4月、日没前であろうが雄ライチョウは大きな声で「グヮ~!」と叫びテリトリーを誇示していた。その裏には、必死で縄張りを奪い取りたい雄がまた存在する。高山という厳しい環境ではこの限られたテリトリーを死守できるか否かは子孫繁栄のため、一切手抜きは許されない。氷河期からこうして脈々と子孫を残してきた訳だ。
雨のお花畑でじっと雛を羽の中で暖めていた。ライチョウにとって高山植物が重要な食物である以上、雨であろうが食べなくては死んでしまう。しかし、雨に濡れるとヒナは急激に体温が下がり、それは死に直結する。そのため母鳥も雛も命がけ。
神聖なる厳冬期の立山に残されたライチョウの足跡に命の息づかいが力強く感じる。冬期ここで生きられるのはライチョウしかいない。そう、神の鳥であるからこそ。
Q 2 :
では、氷河期から生き延び、生き延びる知恵も習性もありながらなぜ絶滅寸前と言われているのですか?
A 2:
ライチョウが棲息する高山帯に多くの登山者や観光客が訪れるようになり、ライチョウの生息地の環境が激変した事が大きな要因です。ライチョウの重要な食物である高山植物が踏みつけられてお花畑が減少したり、登山者の捨てるごみにかつては高山帯にいなかった下界のカラスやキツネが誘因されて、二次的にライチョウの新たな天敵となります。
さらにもっと大きな問題が我々の生活様式の近代化による里山の環境変化(里山の機能崩壊)と地球温暖化の問題です。近年、野生動物の増加やその生息域が拡大しており問題となっています。ライチョウに関係するものではシカや猿が低山から高山帯にまで生息域を拡大し、ライチョウにとって大切なお花畑が荒らされているのです。また猿により多くのライチョウの雛が死んでいます。
温暖化の進行が今のペースで進めば、今後、高山帯の高山植物と亜高山帯上限以上に植生するハイマツが競合してしまい、ライチョウの大切な食物である高山植物は今世紀末までには絶滅すると言われており、そのためにライチョウも絶滅してしまうと言うことです。
どう思いますか?我々人間が行って来た地球環境に対する悪行が、大切なライチョウを絶滅に追いやっているとは思えてきませんか?
本来、過酷な環境に順応して来た強い鳥でありながら、我々の生活様式の変化による自然環境の激変と急激な地球温暖化に順応できずに絶滅に向かっています。